自分から積極的にコミュニケーションを取って理解し合う努力をすれば、関係が変わっていく
-平山さんはイギリス出身で、日本語と英語のバイリンガルなんですよね。
はい、両親共に日本人ですが、イギリスに渡って日本食レストランを経営していました。自分はロンドンで生まれ育っています。平日は現地校で英語を使い、家庭や週末の日本人学校では日本語を使うという生活を送っていました。
-イギリスで生まれ育って良かったと思うことはありますか。
英語を習得できるというのは勿論ですが、多様性に富んだ環境で過ごせたのが面白かったです。現地校にはイギリス人やヨーロッパ出身の人だけでなく、コンゴやソマリアなどのアフリカ系やインドやアフガニスタンなどのアジア系の生徒もいました。宗教もキリスト教だけでなくイスラム教の人がいたりと、様々な面で多様でしたね。
-人種も文化も本当に国際的な環境ですね。そういった環境が何かHさんに影響を与えたことはありますか。
コミュニケーション面での学びが大きかったですね。日本人は現地校で自分一人だけであり、アジア人に対して多少偏見を持つ人もいたので苦労することもありました。ただそういう人に対しても、自分から積極的にコミュニケーションを取って理解し合う努力をすれば、関係が変わっていくんだということを実感することができました。
-マイナスな状況を自らプラスに変えていく、とても前向きなスタイルですね。
ありがとうございます。子供の頃に、自分の働きかけ次第で、人との関係や人付き合いの幅、自分の周囲の環境が変わるんだということを学べたのは本当に良かったと思います。
-バックボーンが違う人たちとコミュニケーションする際のコツは何かあるのですか。
そうですね、共通点を探すことですね。人種や文化が違っても、何かしら好きなものでお互いの思いが一致することはよくあると思います。コミックやアニメなどのエンターテイメントや食べ物の話などは、垣根を越えて盛り上がるのにちょうどよかったですね。
この時エンターテインメントの力ってすごいなと思ったことが、今のキャリア選択にも影響していると思います。
世界中の漫画家を目指す人がチャンスを得られる
ような仕組みを作っていきたい
-キャリア選択はどのようにしてきたのですか。
実家が日本食レストランを経営していたので学生の頃から店を手伝っており、ファーストキャリアも実家の店で働くことを選びました。
-どんなお店だったのですか。
本来の日本の食文化を広めたいという思いが根底にありました。なので、現地風にアレンジするのではなく、日本の料理を忠実に再現しつつ現地の人も気に入ってくれるような料理を提供することを心掛けていました。
-どんなことが仕事のやりがいだったのですか。
自分のお店を通じて、お客さんが日本を身近に感じたり好きになったりしてくれるのが嬉しかったです。日本は自分にとって第二の故郷であり、憧れの場所でもあったので。震災があった時に店に募金箱を置いたら、びっくりするような金額が集まって、本当にありがたいと思いました。
-そこからどういった思いで、日本に来てウェイブ入社しようと思ったのですか。
父は自分に対して「店を継がなくてもいい。やりたいことをやれ」と言ってくれていました。20代も終わりに近づいた時に、本当に自分が挑戦したいことって何だろうと真剣に考えました。
その時、3つのことが思い浮かびました。一つ、エンタメ系の事業に取り組む。二つ、「本物の日本」を世界に広める。三つ、ナレーションに挑戦する。
日本に関わっていきたいなら、実際に日本で働くことも大事だと考え、日本で職を探しました。ウェイブはまさに日本のコンテンツを世界に発信する事業を展開していたので、ぴったりだと思い入社を決めました。
-三つ目のナレーションは、初めて話に出てくる要素ですね。
専門的な勉強をしていたわけでは無いのですが、元々声を使って表現することが好きでした。また、イギリスにいた頃から、日本のテレビ番組のナレーションのレベルの高さに惹きつけられていました。
日本に来てから個人でレッスンを受けたり、オーディションを受けたりしています。その努力が認められ、ウェイブ内のコンテンツ制作でも声のお仕事をもらえるようになりました。こういう新しい挑戦の機会も得られたので、その意味でもウェイブは自分にとって良い環境でした。
-ウェイブではどんな仕事をしているのですか。
元々ITとは違う業界で働いていたので、まずはwebサービスの運営に関わること全般を、幅広く勉強しながら取り組んでいます。英語でのカスタマーサポートや、SNSを使ったプロモーション、HTML/CSSを勉強してサイトのデザインを修正したりなどですね。特に面白いのが、自分でアイデアを出してどうやったらサイトが良くなるのか企画を考え実行することです。例えば、アメリカのユーザーにとって日本の作家さんがどんな人かはイメージしづらいと思うので、作家さんから直接アメリカ人ユーザー向けのコメントをもらって、作家別のコンテンツ特集を作っています。
-自分で考えて実行していくことが面白いんですね。
そうですね、日々刺激的なワークスタイルを楽しんでいます。自分で改善点やアイデアを考え、上長に共有しフィードバックをもらってスピーディに実行していく。裁量とスピード感に溢れ、結果がすぐ数値で表れるwebの世界は、大変だけど面白いですね。
-今後チャレンジしていきたいことはありますか。
Coolmicというサービスを多言語展開し、世界中の人が知っている状態にしていきたいです。その一環として、メディアはテレビが依然世間的に大きな影響力を持っているので、Coolmicのコンテンツが世界中のテレビで流れるようにしていきたいと思っていいます。
もう一つは、日本のコンテンツを広めるだけでなく、現地で作家さんを発掘し現地向けのコンテンツを作りヒットさせたいと考えています。自分の周りにも、日本のコミックに影響を受けて漫画家を目指したいと考えている人たちがいます。
ただそういった人たちが、実際に漫画家を目指させる環境が整っているわけではありません。そこで、うまく日本のノウハウを提供しながら、世界中の漫画家を目指す人がチャンスを得られるような仕組みを作っていきたいと考えています。
一日の流れ
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9:00
出社
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9:30
カスタマー対応(問い合わせメールやSNSコメントの対応)
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11:00
チームミーティング(タスク確認)
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11:30
システムのデバッグ
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13:00
昼休み(イギリスのサッカー、プレミアリーグの結果をチェック)
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14:00
コンテンツのアップロード作業(動画編集など)
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15:00
システムのデバッグ
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16:00
コンテンツ特集案や新規機能案を検討
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19:30
退社