株式会社ウェイブ

メンバーインタビュー

売れてくれたら全てが報われた気持ちになる

村井 辰太郎

編集部 部長/2015年4月20日 中途入社

-ウェイブに入社するまではどんなことをしていたのですか。

昔から物書き、小説家になりたいという夢を持っていました。学生時代はブログやSNSで日記や創作物をコソコソ書いては友達に読ませ、笑いを取ることに執着した青春を過ごしていました。

-元々創作や人を楽しませることが好きだったんですね。就職活動はしたのですか。

はい。尊敬する作家さんは脱サラデビューの方が多かったこともあり、物書きを目指すにしてもまずは企業に就職して人生経験を積もう!と思い、営業マンになりました。映像系コンテンツの卸売り業だったので、様々な企画のコンテンツに触れることで小説のネタ集めにもなるんじゃないかと考えました。

-なるほど、就職先も小説家を意識して選んだんですね。

そうですね。元々はネタ集めのつもりで入社したのですが、入社した以上はしっかりやろうと思い、とりあえずがむしゃらに頑張りました。そうするうちに役職も就いて、だんだん後に引けない立場になり、しばらくは営業の仕事を頑張って続けていました。どんどん出世して大きな挑戦をしていくのもかっこいいなと思っていたので。

ただ仕事そのものは嫌いではありませんでしたが、これが一生をかける仕事か?というと、そこまで愛せていないという感覚もあり、元々物書きの夢もあったので悶々とした気持ちを抱えて日々を過ごすようになりました。

-そこで転職を考えたのですか。

はい、やっぱり創作に関わる領域で仕事がしたいと思い、転職を決意しました。

-ウェイブを選んだ理由はあったのですか。

ウェイブは編集部で作家さんに漫画原案を提案する仕組みがあると知り、興味を覚えました。作家さんのクリエイティブな創作活動に、自分も深く関われるのは面白そうだなと。 他にもメディア系の人からの転職のアドバイスで、今デジタルの業界が発展していること、版元の会社は裁量持っていろいろできるということを聞いて、それにぴったりとウェイブが当てはまっていたことも影響しました。

-ウェイブ入社後、編集者としてどんな業務に取り組んでいるのですか。

漫画の原案検討からプロット、ネーム、表紙、原稿の内容チェック、タイトルや単行本帯文の検討、サンプル試し読みや広告バナーの作成…などなど、基本的に漫画づくりの全ての工程に関わっています。作家さんの原稿を読んで「より面白くする余地はないか?より売れるようにするにはどうすればいいのか?」ということを、常に考えながら動く仕事です。

-仕事のやりがいは何ですか。

大変さとやりがいって表裏一体ですよね。ヒット作を作る工程ってとても大変ですが、売れてくれたら全てが報われた気持ちになります。僕は初めて大きなヒットを打てた瞬間、堪らなくやりがいを感じました。

-その瞬間のことを詳しく教えてもらえますか。

ウェイブで商業デビューというある新人作家さんの担当になった時の話です。作家さんがまだ商業作品作りには不慣れだったため、一緒に一つ一つ商業のセオリーを確認していきながら、作品作りをサポートしていきました。そして非常に苦労した末に1本の漫画が完成しました。自分の原案がちょっと変わったものだったこともあり、配信開始までは結果がかなり不安だったのですが、蓋を開けてみたら大成功!自分にとっても編集者として初めて代表作と言える作品が生まれた瞬間で、とても嬉しかったです。

世代を超えて愛されるような漫画を作りたい

また最近嬉しかったのが、とっても漫画が上手い作家さんと打ち合わせをしてて「私が売れたのはあなたのおかげ。今まで同人誌は沢山描いてきたけど、自分ひとりで描いた作品で売れたことは一度もなかった」と言われたことです。冗談交じりの一言でしたが、それでもついサイゼリヤで号泣しかけました。

-それは編集者冥利に尽きますね。

僕個人としてはその作家さんの同人誌も大好きなんですが、折角面白いものを描かれる作家さんなら、より多くの方に読んでいただきたいじゃないですか。エッジの利いた作家さんについては魅力をよりキャッチーにかみ砕いて、広く受け入れやすいものにしていくのが担当編集の仕事だと思っています。もちろん、あまり口当たりの良いものを意識し過ぎると作家さんの個性が消えてしまうので、毎回バランスには気を付けていますが。

このキャッチーにする工程は作家さんの理解を得るのが大変な面もあり、面と向かって感謝されることは珍しいので、この一言には本当に感動しました。

-今後の目標はありますか。

10年、20年先も残るヒット作を世に送り出したいです。一過性のヒットではなく、世代を超えて愛されるような漫画を作るのが野望です。それができればレーベルそのものを愛してもらえるようになるのかなと。正直今はまだ作品単位での認知がほとんどだと思います。一本お化け作品を生み出せれば作家さん、読者さん双方に「あの漫画どこが作ってるんだ?あの漫画作ってるレーベルってかっこいい!ウェイブの漫画が好き!」ってなってもらえるんじゃないでしょうか。そのために今後も努力してきたいと思っています。